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ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

割れる

 

 

    月に向かって石、投げて本気で当たると思ってる。そしたらちゃんと糸かなにかが切れて落ちてくると、思ってる。

    公園に、時計があった。すごく背の高い時計。その時計のどまんなかに石、投げて当たると針がちょうど一分すすんだの。それを面白がって僕、ひとりでずっと時計に石、投げて遊んでいた。でもね、その時計、次の日も、その次の日も、何回石、食らわせても、ずっとずっと正確に時間を刻んでいたの。よく考えると、本当はね、石が当たった衝撃で、針がちょっと揺れていただけかも、だけど僕、本当に時間が早くすすんでいると思ってる。その時ぜったいに、時間はすこしびっくりして、一分間くらい、僕の中では、つまり世界のぜんぶが、消えてなくなって、もしくはどこか別の場所に飛んでいってしまったんだと、思ってる。

    あの月のどまんなかに石、ぶつけてやれば、ぜったいに時間がびっくりして、あの頃に戻れると、思ってる。今日も僕、僕だけのために、つまり世界のぜんぶのために、必死で石、投げる。ときどきどこかで、時間の欠片かな、割れる音が、聞こえる。