ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

きみ

 

 

    フォークがあって、その四つある先端のうち、いちばん右側の先端で、とうもろこしの粒をひとつずつ刺して、ひとつずつ食べるきみがある。きみといったら肉塊の、その牛だか豚だかの肉塊の、その上に乗っかってる、というかもたれてる、というかだらしなく寝転がってる、それもきみなんやろ。目ん玉みたいでなんだかきみ悪い。きみの目ん玉はかわいいよ。いや目ん玉みたいなんがきみなんやけど。きみの目ん玉はくりくりしててかわいい。きみみたいにかわいい。いやそのきみはきみ悪いけど。いやきみは悪くないよ。きみは目ん玉がよく動くよな。目ん玉、器用に動かす才能があるんやろな。その黒目の、黒くないところ、黒くないとき、ちょっと太陽が落ちてきたとき、すっごく綺麗な色してる。おじいちゃんちの本棚、数十年ぶりくらいによく擦って磨いて白熱電球、反射するくらいまでしたときの色みたい。きっと高い木、使っとんのやろな。きみの黒目は白目の上、泳いでるみたいによく動くよな。泳ぐゆうてもマグロみたいなのちゃうくて、なんやろ、アメンボみたいな。いや、アメンボってあれ泳ぐっていうんやろか。まあ、フライパン揺らしたときに、フライパンの上で揺れるきみみたいな、そんな泳ぐきみの目ん玉、綺麗やけどちょっときみ悪い。