ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

八月のゆるふわ日記

 

 

    杖をついた老婆が横断歩道を渡っているのが見えたので私はアクセルを限界まで踏み込んで轢き殺した。完全なる正当防衛であった。老婆は私の視界に入り、私を殺そうとするのだ。老婆の肉片は野良犬が食べるので問題ない。しかし野良犬は私の愛車にこびり付いた老婆の血液まで綺麗に舐め取ってはくれない。そんな時、私はロサンゼルスに行き、カジノで全財産を使う。ロサンゼルスはまさに私のオアシスだ。ステージの上で踊る裸の美女にケチャップをかけて、舐めまわすのだ。 プロの写真家を目指したことがある。私はカメラに映すべき題材を探して夜の街を徘徊した。そこで路上生活者の寝顔にケチャプをかけて回ったが、私はカメラを持っていなかったのだ。世界は理不尽なことで溢れている。私が路上で若者を殴ると、教養のない若者は殴り返してくるのだ。実に不快で矛盾した出来事である。私は度々、神に問いかける。私は何か悪いことをしたかい、と。私には不幸ばかり訪れる。悪魔のような人間が現れ、私の幸せを全て奪ってゆくのだ。私は他人を怒鳴りつけたり殴ったりしたことはない。人の意見を受け容れ、温厚に生きてきた。しかし私のように真面目で、実直な人間はいつだって損をするのだ。私は一度も誰かの悪口を言ったこともない。傷付けたこともない。だがどうだろう。全ての人間が私のことを寄って集って攻撃するのだ。私はそれに耐えることしかできない。泣いて夜を明かすことしかできない。そんな時、私はビール瓶で浮浪者の頭を殴りつけるのだ。