ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

冬になるから

 

 

 

酔っ払って家に帰ったとき、寝ている赤ん坊をあやしていたら床に落として殺してしまったのを思い出すと今でも笑いが止まらない。それから何故か家を追い出され路上生活になったが常に悪霊が耳元で殺せ殺せと囁いてくる。誰でもいいからひたすら殺せと。雪の降る東京で一人残らず殺したい。理由は何だっていい。雪だから。冬だから。寒いから。とにかく誰かを殺さなきゃいけない。何処だっていい。誰だっていい。郊外の別荘で過ごす老夫婦も殺したい。昼間から裸でセックスに耽る新婚夫婦も殺したい。銃がない。だから傘とかでいい。傘の先端でひたすら眼球を突きたい。そう、雪だから。冬だから仕方ない。傘がなきゃどうしようもない。だから殺さなきゃいけない。傘を持たなきゃいけないなら仕方ない。胸を開いて肋骨も開いて肉とかレバーとかを取り出して食べたい。どんなに幸せな人間も、どんなに成功している人間も、この手で刺せば人生なんてすぐ終わる。突然終わる。知らないホームレスに刺されて急に終わる。いままでどんなに努力してきたとしても、どんなに苦労してきたとしても、気まぐれに俺がこの傘で刺せば人生なんて一瞬で終わる。どんなに人を見下している奴も、どんなに優しい奴も、簡単に死ぬ。みんな死ぬ。どうせ死ぬ。馬鹿馬鹿しい。雪だし。冬だから死ぬ。だから殺す。冬だから。殺す理由はなんだっていい。ただ生きる理由なんか何ひとつない。生きる意味もない。そんなものがあると思っている奴はただの低知能だ。実に馬鹿馬鹿しい。殺せ殺せと囁いてくる。ひたすら殺したい。殺さなきゃいけない。雪が降るなら傘が必要だから。それなら仕方ない。傘で眼球を突き刺せばどいつもこいつも死ぬ。殺すしかない。冬になるから。