ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

クリスマス

 

 

 

橙色の暖かい光が部屋の中を満たしている。お酒の瓶がずらりと並んでいて、妖艶に光ってる。ここにはクレープもあれば、ワインもある。ここにないものはきっと世界のどこにだってない。お肉をジュージュー焼いている音が聞こえてくる。きっとこんなに大きな七面鳥の丸焼きだよ。雪が降ってる。きっと僕たちのためだけに降ってる。夜だってのに街灯やイルミネーションでこんなに街中キラキラだ。とりあえずキラキラさせとけってな感じで。きっと空の上からでもわかる。銀河の外からでもわかる。あんなに大きな木が、枝の先まで全部光ってる。蝋燭の火のひとつひとつが、みんな僕たちを祝福してる。スキップしたくなるような音楽が、今日は街中、いや森の奥までずっと夜通し流れてる。赤い服のひとたちがステージの上でラッパ吹いてる。ああ僕たちのためにだよ。ケーキもある。こんなに大きな。チョコレートもある。クッキーも。おばあちゃんがパンもくれるよ。あらゆるものがぜんぶ光ってて眩しいくらいなんだ。今日だけはシャンパンを飲んでもいいんだ。ママには内緒で。メリーゴーランドは我慢だよ飲酒運転だから。教会で歌を歌うのもいいけど、今日はきっと神様より偉いぞ。温かいポテトとこんなに大きなビール。みんな靴下を吊るしているけど、僕は今年は眠らないんだ。それにきっと僕らにはもう朝はこない。どこまでも澄んだ冬の夜空で星になるんだ。