ゆるふわ日記

ゆるふわだよね。

呻き

 

 

 

二階の部屋の白いカーテンからレモンの香りと一緒に入ってくる光の乱調と雑音、それが歌声でもあった。君がパンを水に浸して食べるのが儀式みたいだった。その意味を知った者は殺されて、水に濡れぬまま溺れる。真っ暗な海の上でたった一人でボートを漕いでいるような気分の日没後、ポケットにナイフを忍ばせた夜の宴会。どこかで旅人と会った日の夏の大気に浮かぶ雲みたいに、化膿していく僕の破綻して錯乱する神話。自転車と麦わら帽子だけの美学に撒いた雑草鎮静剤と青白い円環のループ。君があの月を何に例えたのかを忘れ、傘とレインコートでは耐えられない呻き声が鬱屈なサーカスみたいに頭の中に降り続けている。